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学長就任のご挨拶
-奈良教育大学全教職員の皆様へ-

 

 本日、国立大学法人奈良国立大学機構、榊裕之理事長より、同機構大学総括理事、奈良教育大学学長の職を拝命いたしました。奈良教育大学全教職員に対し、この場を借りて就任のご挨拶を申し上げます。

 奈良教育大学は、明治21年に奈良県尋常師範学校として設置された後、130年以上にわたる長い歴史を積み重ねてきましたが、このたび、奈良女子大学との法人統合という大きな転換点をここに刻むこととなりました。新たな離陸を担う学長として、身の引き締まる思いと、今後、順調に飛行させるべく責任の重さを、今、ひしひしと感じております。

 足掛け5年、法人統合に向けて入念に準備し、また多くの困難を克服してくださった、加藤久雄前学長をはじめ、附属学校園を含めた本学すべての教員、事務職員の方々に対し、この場を借りて心より厚く感謝と御礼を申し上げます。

 本学内のことにおきましても、私が教育担当理事・副学長として過ごしたこの6年半の間、実に様々なことがありました。京阪奈三教育大学連携事業、大学院改組、法人評価や認証評価、第4期中期目標・中期計画の作成、入試改革、教育学部カリキュラム改訂、センター再編等です。これらもすべて、教職員による丁寧な議論と協力によって実現できたものです。
 乗り越えても、乗り越えても、新たな困難が必ず押し寄せてくる、そんな6年半ではありましたが、一つひとつを皆で考え、解決できた時の喜びと感動を共に分かち合えたことは、私の人生におけるきわめて貴重な経験となって、今、私の中にしっかりと位置付いております。本当にありがとうございました。

 これからは、これまで理事(教育担当)として置かれてきたポストがなくなり、学長が大学総括理事を兼ねるということになりました。理事は授業を持ちませんでしたので、入試、教育課程、就職、日々の学生支援、先生方の研究、財務、施設等、大学全体の具体に踏み込みながら、学長を支えることができました。
 しかし、これからは、学長自らこのようなことを兼ねて行っていかなければなりません。これもまた責任の重いことではありますが、これまでの経験を生かし、皆様のサポートを頂戴しながら務めていく所存です。どうかよろしくお願い申し上げます。
 さて、今回の学長選出についてですが、国立大学法人法に則って法人統合が進められる中、従来とは異なる経緯をたどりました。1月7日の公表に際しても、私自身何らかのアクションを行うこともできず、以後、もどかしい思いが続く日々でした。公表された内容は、「私を、大学総括理事候補者として文部科学大臣へ申し出た」という報告であり、文科大臣から承認を得られたのは、つい先日の3月25日のことでした。そこでやっと、「候補者」から「大学総括理事になるべき者」となり、4月1日、正式任命を理事長から受けた次第です。
 それゆえ、本学全教職員に対して、私の所信を表明することも控えておりました。それなくして、副学長や学長補佐等の打診をしたことは、どうにも申し訳ない気持ちではありましたが、それにもかかわらず、快く引き受けていただくたびに、どこか勇気と元気が湧いてきました。
 皆様からの信任も、またご批判やご要望も受けることなく、本日に至っているわけですが、4月8日の17時より、これから2年間の任期中に、私がどのようなことをしようと考えているのかを、具体的にお話しさせていただきます。その際、どうか忌憚のないご意見等をいただけましたら幸いです。それを経て、近くHPにも掲載したします。
今日のこのご挨拶では、8日に述べる所信の中から、私の基本的な考えのみをお話しいたします。
 組織のトップは、未来を予測し、ぶれない指針を定め、自らのアイデアを提示するとともに、構成員からもそれらを引き出し、解決と実行に向けて皆で議論を重ね、合意形成を図り、実行後の責任はトップが担うものであると考えます。それは単純なトップダウンよりはるかに時間はかかるものですが、そうすることで、組織の健全性と明るさをもたらし、結果的に発展が加速するものと思っております。

 学長としてそれを実現させるためには、皆様の奈良教育大学や学生に対する愛情、苦労や困難に立ち向かう努力、そしてトライアル・アンド・エラーを認めることが重要であり、皆様におかれては、日常における他者に対する心配りや労いといった、何気なく温かいコミュニケーションが基盤となって叶うものと考えます。このことは、予測すらできなかった突然のコロナ禍に対応し、まさに昼夜を厭わず学生のために尽くしてくださった教職員の姿を見て、あらためて強く実感したところです。
 私はこのことを経験し、まず、奈良教育大学がもつ教育・研究の場として他に誇れる職場風土を今後も持続させていき、改善すべき点はできる限りスピーディーに改善していくことを、本日ここに申し述べたいと思います。

 また、本学においては、4月1日をもって、次世代教員養成センターが「ESD・SDGsセンター」と「情報センター」に再編されました。これにより、ESDについては、全国はもとより、世界のESDの研究と実践を牽引する国際的推進拠点になるため、私も力を尽くします。
 さらに、新しく生まれ変わった大学院の両課程も、地域社会に対して教育や文化の発展に資する軌道に乗せられるよう、努力したいと思います。
 機構の直下に置かれる「連携教育開発センター」は、赤沢センター長や、附属学校園を含めた本学からのメンバーが、奈良女子大学や同附属のメンバーとともに、連携によってこそ強化できる教員養成や地域教育支援が加速するよう、支えて参りたいと思います。

 さて、このたび理事長になられた榊裕之先生は、半導体の世界的権威であり、世界に貢献する数々なご業績により、紫綬褒章を受章され、文化功労者でもあられます。一方、先日発刊された広報誌「ならやま」の対談にもありますように、先生は、日本におけるこれからの初等中等教育、就学前教育、教員養成教育に、強い期待と、改革への情熱を寄せていらっしゃいます。
 本学に初めていらした時、お送りする車の窓から、道を歩く子どもをご覧になり、「私はね、子どもを見ると、思いがいってしまうんですよ」とつぶやかれたことを、私は忘れることができません。
 榊理事長、そして本学全教職員の支えを賜り、私の任期である2年間、本学のため、法人のために全力を尽くして参ります。そして、奈良教育大学にとっては、国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議で出された最終とりまとめ「国立大学法人の戦略的な経営実現に向けて」(令和2年12月)や、中教審答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」(令和3年1月)を踏まえながら、これまでの、また他の教員養成大学とはひと味もふた味も異なる、新鮮なエッジが立った教育大学として発展するために、皆様とともに尽力することをお誓いし、就任のご挨拶といたします。

 

令和4年4月1日
国立大学法人奈良国立大学機構 大学総括理事
奈良教育大学 学長
宮 下 俊 也